「ちょっとお電話が…○○様のご家族です」。その一言で、胃のあたりがきゅっとなる。
受話器を置いたあと、しばらく仕事が手につかない。利用者さん本人とは、あんなに穏やかに過ごせるのに。面会のあとだけ、どっと疲れて、帰り道に「私、この仕事向いてないのかな」とまで考えてしまう。
先に、これだけ。家族の不安を理解することと、あなたが傷つく言葉を我慢し続けることは、別の話です。
先に結論です
家族対応がつらいときは、「説明不足」「期待のずれ」「過度な要求」「ハラスメント」の4つに分けてください。そして何より大事なのは、ひとりで受け止めるのをやめること。記録して、チームと管理者に渡す。家族対応は「担当者の仕事」ではなく「事業所の仕事」です。
そのしんどさは、こんな形で出ていませんか
- 電話や面会のあと、気持ちが戻るまで時間がかかる
- 「前はできていたのに」という言葉が、自分への採点に聞こえる
- 説明しても納得されず、同じ話を何度も繰り返している
- 理不尽な要求や強い言葉を、なぜか自分だけが受けている
家族にも、認めたくない現実への不安があります。でもその不安のはけ口に、あなたの心が使われていいわけではありません。
4つに分けると、対応が変わる
- 情報のずれ:介護計画や体調変化が家族に届いていない → 共有の仕組みの問題。あなたの説明力の問題ではありません
- 期待のずれ:家族が望むことと、施設でできることが違う → 「事業所としての回答」に切り替える場面です
- 仕組みの偏り:電話や苦情が特定の担当者に集中している → 配置の問題として管理者へ
- ハラスメント:暴言、威圧、性的な言動、過度な要求が続く → 我慢の対象外。事業所が守るべき案件です
今日の一歩:記録して、渡す
次に対応したら、その日のうちに短く記録してください。「日時・内容・言われた言葉・同席者」。
そして、その記録を自分の手元で止めず、管理者に渡してください。これは告げ口ではありません。事業所が対応方針を揃えるための、正式な業務情報です。渡した瞬間から、あれは「あなたの荷物」ではなく「チームの荷物」になります。
職場が動かないときの相談先
管理者、ケアマネ、相談員に共有しても一人対応が変わらない場合は、介護現場のハラスメント対策(厚労省がマニュアルを出しています)を根拠に相談できます。それでも動かない職場なら、総合労働相談コーナーなど外部の窓口があります。
よくある質問
家族の不安を受け止められない自分が悪いのですか?
悪くありません。家族の不安のケアと、職員の安全は、両方が満たされるべきもので、どちらかを犠牲にする話ではありません。
強い言葉も、介護職なら我慢するべきですか?
我慢で続ける仕事ではありません。記録し、共有し、複数人で対応する。それが本来の形です。
退職を考える前にできることはありますか?
一人対応をやめる、記録を残す、窓口を管理者に寄せる。この3つを試しても変わらない職場かどうかが、判断の材料になります。